熱中症対策 その2
前回は水・血液量の話を書きました.
Q,熱中症は水分が足りなくなるんだから,水を飲ませればいいですよね?
A,熱中症は,水分と電解質の二つから考えましょう!
汗として水と一緒に出て行くのは,ナトリウムイオンやカリウムイオンといった,「電解質」というものも一緒に出て行きます.
熱中症は原因と症状によって3つに分類されます
1) 熱けいれん:身体の電解質が失われて筋のけいれんや筋肉痛が起こる
2) 熱疲労:脱水によるもので,吐き気・頭痛などの症状が起こる
3) 熱射病:体温調節が破綻して,高体温,意識障害など重度な症状が出て死亡率も高い.
電解質というのは,人間の身体の細胞の働きを保つために必要な物質です.
さて,汗をたくさんかいた後,水だけを補給するとどうなるでしょうか?
汗をかいて,水と電解質が出ていった身体では,電解質の量も減っています.身体の正常な働きを保つには,電解質は一定の「濃度」が必要となります.
そこで水分のみを補給すると,電解質の濃度が低くなるために,身体は体内の電解質濃度を保とうとして,より発汗や利尿が増加し,水分が失われるため,より熱中症になりやすい状態に陥るんです.ああ怖!
だから熱中症予防に重要な事は,
水分+電解質の補給
です. 100ml中に40~80mgのナトリウムイオンが含まれている飲料が,熱中症対策には最もいいという事です.ポカリスエット49mg,アクエリアス40mgです.ポカリスエットは基本的に成分は変わりませんが,アクエリアスは「ジュース」の意味合いが強いため,味を考慮して成分が変わることがあるようです.
Q.甘いから糖分を取りすぎるのでは?
A.もちろん摂取しすぎはNOです. ただ,糖分は,これらの体内への吸収を促進するために必要であるため,甘いからと薄めてしまう事には否定的な意見が出されました(あくまでメーカーサイドの意見です,解釈はお任せします).電解質が薄まってしまうということからも,あまり薄めることはオススメしていません.
お茶には,塩をひとつまみ入れるくらいがいいと思います.